発生医学研究所は、発生医学( 分子遺伝学・分子生物学・細胞生物学などを基盤として発生学的視点から生命科学と医学を融合する学問領域 )の統合的な研究推進を図ります。 本研究所は、平成21年4月(2009年4月)に発生医学研究センター[平成12年4月設置(2000年4月)]の 部門・分野を一新し、構成員を再配置して 、発展的に研究所に改組したもので、発生制御部門・幹細胞部門・器官構築部門の3部門があり、その中に12の専任分野、3つの客員分野、3つの研究担当が設置されています。本研究所の基本目標と基本方針はこちらに掲載しています。
本研究所は、平成22年(2010年)に文部科学省の共同利用・共同研究拠点制度に基づく「発生医学の共同研究拠点」の認定を受け、平成28年(2016年)には複数の共同利用・共同研究拠点が連携する「トランスオミクス医学研究拠点ネットワーク事業」にも採択され、活発な活動を続けています。平成22年(2010年)には国立大学附置研究所・センター会議および国立大学共同利用・共同研究拠点協議会に加盟し、平成30年(2018年)から「生命医科学研究所ネットワーク国際シンポジウム」にも参加して他研究所との連携を強化しています。加えて令和2年(2020年)年には日本発生生物学会を熊本で主催します。
教育面では、文部科学省の21世紀COE「細胞系譜制御研究教育ユニットの構築」[平成14-18年度(2002-2006年度)]、グローバルCOE「細胞系譜制御研究の国際的人材育成ユニット」[平成19-23年度(2007-2011年度)]、博士課程教育リーディングプログラム「グローカルな健康生命科学パイオニア養成プログラムHIGO」[平成24-30年度(2012-2018年度)]と長期にわたって研究教育プログラムの中核組織であり、我が国と熊本大学の拠点として重要な役割を果たしています。
本研究所の躍進はいくつかの仕掛け(附属施設)に基づいています。平成24年(2012年)には「将来の医療のために臓器を創る」という目標を掲げて「臓器再建研究センター」を設置するとともに、コアファシリティーとして「リエゾンラボ研究推進施設」を立ち上げ、最新の研究機器と熟練技術支援員・事務支援員を配置し、大学院生・若手研究者・来所する共同研究者が手厚い支援のもと迅速に成果を出せる環境を整えました。さらに平成29年(2017年)には3つ目の附属施設となる「グローカルサイエンス推進施設」を設置し、国際化から産学連携までのワンストップ窓口として、国際的な共同研究と熊本・九州を中心とする産学官連携を推進しています。


熊本大学 発生医学研究所 所長
塩田 倫史 Norifumi Shioda
この度、発生医学研究所所長に就任することになりました、ゲノム神経学分野の塩田倫史と申します。何卒よろしくお願い申し上げます。
発生医学研究所は、これまでの研究所員皆様の弛まぬ努力により「発生学的視点から生命科学と医学の融合を目指す研究所」という国内独自の立ち位置を確立しており、現在も世界に向けて最新の科学的エビデンスを発信し続けています。そして今後も、当研究所は独創的な発想を基に、生命の基本原理の解明と医学・医療への貢献に繋がる成果を挙げていく必要があります。私の責務は「研究所員全員が独自の研究を推進できる環境を提供し続けること」です。私は、以下の運営方針・将来構想を掲げ、多方面への目配りを怠ることなく、大学本部と連動した円滑な運営を通して発生医学研究所のさらなる発展を目指します。
(1)適切な現状報告・情報共有・議論により問題点を明らかにし、情報を整理することで最善の方針を決定する「バランスの取れた所内運営」
(2) 既存プロジェクトの継続および新規獲得による「所内研究環境の整備」
(3) 研究所員が独自のアイデアに基づく研究を加速できる「科学的交流の場の提供」
さて、生命の歴史からみれば、私達人間の人生など瞬く間に短いものです。また、生物学的な観点において、人間は他の動物と比較して走る速さや飛ぶ能力などにおいて極めて劣っています。しかし幸い人間には、時間・空間を見渡してみる「認識力」が与えられています。人間は、生物学の現象を四次元の視点、つまり時間認識というものすごいスピードの小舟に乗り、想像力も駆使して生命の大河を眺めながら、果てしない生命の歴史を紐解くことができます。認識力と科学的知見を結集することで、現時点で私達が行きつくことのできる「生命の起源あるいは果て」の光景を眺望してみることができるかもしれません。発生医学研究所がそのような悠久の旅を楽しむことができる「研究者のパラダイス」の場であり続けるよう、尽力してまいります。
研究所員の皆様には、これからも鋭意努力いただきますとともに、研究所外の方々におかれましては、何卒ご支援のほどをお願いいたします。
2026年4月
歴代所長・センター長はこちら
発生医学研究所(以下、発生研)では、体づくりの原理を明らかにする発生学の観点から、医学・生命科学領域における国際水準の研究を推進します。研究成果を広く社会に還元し、先進的な研究環境の中で次世代を担う若手人材を育成します。
①我が国の発生医学分野を先導する研究教育拠点として積極的な活動を推進します。
②発生医学の基礎的研究、その応用として臓器再建をめざす研究を通して、医学・医療の発展に寄与します。
③先進的な研究環境を整備して、国際水準の先端研究を推進する中で、教育研究者や高度専門職業人など、優れた若手人材を育成します。
④大学院医学教育部 博士課程の「発生・再生医学研究者養成コース」において、発生・再生医学分野を担う人材育成を恒常的に推進します。
⑤博士課程教育リーディングプログラムにおいて、アジア・日本でグローカル(グローバルかつローカル)に活躍できる健康生命科学のリーダーを育成します。
研究成果を社会に向けて広く発信し、関連する学術分野を活性化するとともに、産業界に波及することをめざします。また、熊本大学が位置する九州・熊本の行政・産業・教育機関等と連携し、一般市民への知の還元および産業・医療の進展に貢献します。
①文部科学大臣認定「発生医学の共同研究拠点」として、研究者コミュニティを支援し、国内外の共同研究を推進します。
②研究の成果や学術情報を社会に発信します。グローカルサイエンス推進施設の活動を通してバイオ関連、医療・創薬等の産業界に対して、研究成果が波及することをめざします。
③生命倫理を遵守して、各種疾患に関する検体・データの収集や解析を行い、診断・治療・予防法の開発、医学・医療の進歩に貢献します。
④国内外および地域の教育研究機関・行政・産業等の各種委員を務めることで、意見交換や提言等を行います。
⑤一般市民および研究者への知の還元や啓蒙活動として、講演会・セミナー・模擬授業・見学会・一般公開等を実施します。作成した教育コンテンツは、広く配信します。
国際的に卓越した教育研究拠点形成を実現する21世紀COEとグローバルCOE、国際的に活躍するリーダーを育成する博士課程教育リーディングプログラム等を積極的に実施することで、国際水準の先端研究とグローバル人材育成を推進します。
①グローカルサイエンス推進施設の活動を通して国際シンポジウムを定期的に開催し、海外の学術機関と連携して、先端的な学術研究および国際共同研究を推進します。
②10年間の文部科学省COE事業の実績を継続的に発展させ、「発生医学の共同研究拠点」の国際化を通して、国際的に卓越した教育研究拠点を形成します。
③本学が重点を置く国際化戦略を活かして、発生研で研究する学生を海外に送り出し、留学生・研究者を積極的に受け入れ、教育・共同研究を行います。
④博士課程教育リーディングプログラムにおいて、国際・地域社会と生命科学を理解し、アジア・日本の学術・産業・行政等で活躍する健康生命科学のリーダーを育成します。
⑤本学の研究大学強化促進事業(生命科学国際共同研究拠点)と国際先端医学研究拠点施設(IRCMS)の活動に協力します。
本学の男女共同参画の方針に基づいて、両性がともに、研究活動と育児・介護を両立させながら、その能力を十分発揮できる研究環境を整備します。
①男女を問わず、研究活動と育児・介護を両立させて、その能力を十分発揮できるよう、発生研主体の男女共同参画支援事業を整備・推進します。
②育児・介護休業取得を促進する経費支援、育児・介護休業取得者の復帰後支援、育児・介護期間中の支援など、被支援者の状況に合わせた事業を行います。
③発生研主体の支援事業では、本学の支援制度の対象にならない、大学院生や研究支援者を含めて支援対象とします。また、本事業の申請書は、常時受けつけます。
本学の方針に基づいて、所長・副所長のリーダーシップのもと、教員と事務・技術職員、学生等が協働して、発生研の活動全般について適切かつ機動的な管理運営を実現します。
①熊本大学および生命科学系部局と連携して、本学の管理運営に積極的に貢献します。
②国立大学附置研究所・センター会議、国立大学共同利用・共同研究拠点協議会の構成員として、我が国の学術基盤の強化に貢献します。
③発生研運営委員会(教授会に相当)の内容に従い、発生研全体に関する管理運営を行います。また、教授懇談会、教員懇談会で適時意見交換を行います。
④発生研の共同研究拠点運営協議会(学外委員も含む)の協議に沿って、「発生医学の共同研究拠点」に関する管理運営を行います。
⑤発生研附属の臓器再建研究センター、リエゾンラボ研究推進施設およびグローカルサイエンス推進施設を積極的に活用して、先端的な研究および研究体制を拡充します。研究支援会議を開催し、恒常的に研究活性化を行います。

発生医学研究所は、昭和14年(1939年)に設置された体質医学研究所を原点として、昭和59年(1984年)に遺伝医学研究施設、平成4年(1992年)に遺伝発生医学研究施設を経て、平成12年(2000年)に発生学と医学を融合した発生医学を推進する目的で、発生医学研究センターとして設立されました。時代と社会の要請を踏まえながら、「体質医学–遺伝医学–発生医学」と組織を再編し、さらに平成21年(2009年)に発生医学研究所へと改組拡充しました。令和元年(2019年)は、原点の体質医学研究所設立から数えると80年、発生医学研究所への改組拡充から10年、さらに令和2年(2020年)は発生医学研究センター設立から20年、という節目にあたります。


東京から90分(1日10便)
名古屋から75分(1日2~4便)
大阪から60分(1日8便)
沖縄から90分(1日1便)
博多から40分(1時間4本新幹線)
大分から60分(1日3本)
長崎から新鳥栖で新幹線へ乗り換え110分(1時間1~2本)
鹿児島中央から60分(1時間2本新幹線)
大阪10時間
京都10時間45分
名古屋11時間30分
福岡2時間、宮崎3時間30分、長崎3時間、鹿児島4時間
| 9F | ゲノム神経学分野 | 筋発生再生分野 |
|---|---|---|
| 8F | 共通実験室 | |
| 7F | 組織幹細胞分野 | 細胞医学分野 |
| 6F | 幹細胞誘導分野 | 脳発生分野 |
| 5F | 共通実験室 | リエゾンラボ研究推進施設(LILA) |
| 4F | 生殖発生分野 | 腎臓発生分野 |
| 3F | 胎盤発生分野 | 細胞脂質代謝分野 |
| 2F | 多能性幹細胞分野 | 損傷修復分野 屋上庭園 |
| 1F | 細胞医学分野 | カンファレンス室 |