熊本大学 発生医学研究所 所長
中村 輝 Akira Nakamura
この度、熊本大学発生医学研究所所長を拝命いたしました、生殖発生分野・中村と申します。微力ではありますが、発生医学研究所の発展に貢献できるよう最善を尽くす所存です。
発生医学研究所は、共同研究・共同利用拠点として活動を続けてきております。共同研究支援活動も積極的に進め、質量分析やセルソーティング、次世代シークエンサー解析などを支援してきました。現在、単一細胞レベルのRNA-seq解析も支援可能となっています。これらは、発生医学研究所が誇る研究推進施設であるLILA (Liaison Laboratory Research Promotion Center)メンバーの不断の努力により行われております。引き続き最先端の解析技術を支援できるように、LILAスタッフとともに技術向上を進めていきます。
発生医学研究所では、海外交流を積極的に進めてきました。丹羽前所長の先導により、海外交流セミナー(海外研究者によるオンラインセミナーシリーズ)が開始されています。本セミナーは関連学会員や連携協定を締結している基礎生物学研究所メンバーも視聴可能としています。また、次世代シークエンスの最新技術・トレンドについて情報共有を図るNGS座談会や、学内の研究者の交流を深めることを目的とした情報交換会などを主催しています。更に、定期的な国際シンポジウム (Key Forum) の開催や、各種研究集会の共催を進めてきました。このような活動を継続して進め、本研究所の目標の1つとしてきた『自由に国内外の研究者と交流できる雰囲気の醸成』を強力に進めていきます。そして、発生医学研究所が、国内ばかりでなく国際的にも可視化された、研究交流を強力に進めるハブとなることを目指していきます。
このような研究拠点となるためには、世界から注目される研究成果が、恒常的に発生医学研究所から発信されることが必要です。そのためには、一人ひとりの研究者が、独自のアイデアに基づいた研究を推進することが必要です。発生医学研究所では若手研究者を独立准教授(PI)として採用するシステムを取り入れてきました。独立准教授として採用された彼らは、皆大きな成果をあげて教授に昇任、あるいは他大学に栄転しています。今後も、積極的に新しい研究の芽を育んでいけるように、新進気鋭の研究者のリクルートを積極的に進めて、忌憚なく議論できる自由な研究環境を構築していきたいと考えています。また、本学URAとも連携しつつ、発生医学研究所の広報活動向上を図ります。そして、所外の研究者や学生に対する発生医学研究所の『見える化』を推進したいと考えております。
一方、現在の生命科学研究は、モデル生物を対象とした基礎研究から、ヒトを研究対象として直接扱う方向へと向かっています。発生医学研究所においても、この大きな転換点をしっかりと受け止め新たな研究を創出する研究体制を築き上げていく所存です。
研究所所外の皆様のご理解とご支援を賜ることができますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
2024年4月
過去の所長挨拶
丹羽 仁史 (2020.4 – 2024.3)
所長挨拶(2020.4.1)
西中村 隆一 (2016.4 – 2020.3)
所長退任のご挨拶 (2020.3.2)
所長挨拶 -令和を迎えるにあたって (2019.4.1)
所長挨拶 (2018.9.10)
新年度のご挨拶 -地震から1年 (2017.4.14)
地震から6ヶ月 (2016.10.14)
地震から3ヶ月:発生研からのご報告 (2016.7.14)
地震から復旧途上 (2016.5.2)
熊本地震から11日 (2016.4.25)
発生研内外の皆様へ (2016.4.19)
発生研及び全国の皆様へ (2016.4.15)
Be smart. Stay foolish. (2016.4.14)