Announcement

研究課題「ゲノム不安定性を示す難治性遺伝性疾患群の診断及び分子機能解析」に関する情報公開

 

 

1.研究の対象
2017年7月1日~2025年6月31日に、熊本大学 発生医学研究所で実施中の「ゲノム不安定性を示す難治性遺伝性疾患群の診断及び分子機能解析」に関する研究(研究代表者:立石 智)に試料等(皮膚片)を提供された方。

 

2.研究目的・方法
ゲノム不安定性疾患群とは、遺伝情報(遺伝子)を安定に維持するために必要となる、DNA修復やDNA損傷応答などの機能に異常を持つために発症する一連の疾患で、放射線や紫外線、抗がん剤などに感受性を示す、運動失調性アタキシア(AT)、ナイメーヘン症候群(NBS)、色素性乾皮症(XP)、コケイン症候群(CS)、Seckel症候群、Omenn症候群、LIG4症候群、リンチ症候群、ウェルナー症候群、ロスムンド・トムソン症候群など多数の疾患が知られています。これらの疾患の原因となる遺伝子は、ゲノム解析技術の進歩に伴い次第に同定が進んでおりますが、原因遺伝子の一部が未だに不明であるために、その病態が十分に解明され尽くしていないものが多く存在します。
本研究の目的は、これらの疾患のうち原因となる遺伝子の異常が判明していないものについて、ゲノム情報と家系情報およびDNA損傷処理に対する感受性及び修復経路の活性化機序などの情報を統合することで、新たな疾患の原因となる遺伝子を同定して、将来の治療法開発に結びつけることです。具体的な研究方法は、採取した皮膚片などの細胞から抽出されたDNA、mRNAから作られた相補DNAの塩基配列の構造または機能を解析することです。また光線過敏症または早老症に対してはその原因遺伝子の同定に全ゲノムの網羅的解析やエキソーム解析による全遺伝子の解析を行うこともあります。また皮膚片の細胞から抽出したタンパクを用いて、プロテオーム解析を行い正常皮膚細胞サンプルとの違いに着目して、原因タンパクを特定することにより候補遺伝子を決定することもあります。

 

研究期間: 2017年7月1日~2025年6月31日

 

3.研究に用いる試料・情報の種類
試料:皮膚片(スキンパッチ)
情報:臨床情報(病歴・治療歴・身長・体重・頭囲・出生時や現在の身体的な特徴など)

 

4.外部への試料・情報の提供
(1) 研究試料と臨床情報については、同意書にて事前に同意を得ている範囲内で他の研究者(本研究の研究分担者・関連する研究者)や公的バイオバンク等へ提供する可能性があります。
(2) 研究の過程で取得したゲノム情報の一部(病的意義付けがなされた一部の遺伝情報)と細胞機能に関する情報(DNA修復機能に関するデータ)、およびこれらと関連する臨床情報の一部については、同意書にて事前に同意を得ている範囲内で学術論文、公共データベース等へ提供が行われることがあります。
(3) 研究の過程で取得したゲノム情報の大部分(病的意義付けを行う前の未加工ゲノム情報など)や、その他臨床情報、細胞機能に関する情報などについては、情報管理に最大限の配慮を行い、一部の制限された研究者のみがアクセスを許可される、国の指定する公的データベースなどを通して利用されることがあります。
(4) ゲノム情報の解析を外部の事業者(海外の事業者を含む)に委託して実施する際には、事前に当該事業者と守秘契約を締結し、事業者は解析したゲノム情報について研究者へのデータ引き渡し後、速やかに破棄します(臨床情報などは一切提供されません)。また、対応表は、個人情報管理責任者が保管・管理します。
(5) ゲノム情報を共同研究機関で共有する際は、第三者の通信傍受が不可能な暗号化されたネットワークを通して、特定の研究関係者以外がアクセスできない状態で行います。

 

5.研究組織
熊本大学発生医学研究所       講師   立石 智
熊本大学大学院生命科学研究部
皮膚病態治療再建学                 准教授  福島 聡

名古屋大学環境医学研究所
発生遺伝分野            教授   荻 朋男

長崎大学がん
ゲノム不安定性研究拠点       助教   中沢 由華
研究グループ公式ホームページ http://www.riem.nagoya-u.ac.jp/4/genetics/announcement.html

 

6.お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

 

 

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
熊本大学発生医学研究所 損傷修復分野