分野紹介
損傷修復分野
研究プロジェクト

(1) 遺伝子の傷害を修復し、細胞周期、細胞死を調節することによる、発ガン防御機構の解明


(2) 遺伝子の傷害を修復し、細胞周期、細胞死を調節することによる、精巣または卵巣の生殖細胞の機能を維持する機構の解明


(3) 新規のヒストン修飾機構による遺伝子発現メカニズムの解明

 

(4) 遺伝性難病であるコケイン症候群の治療のための研究

 

 我々は、遺伝性難病である色素性乾皮症の原因タンパクを制御するヒトRad18遺伝子を特定した(PNAS 2000)。Rad18により、傷害されたDNAが複製されるメカニズムを解明した(Mol. Cell. Biol. 2003)、(EMBO J. 2004)。放射線による傷害に対する修復にもRad18が関与している(Nucleic Acid Res. 2009)。

 

 Rad18遺伝子を欠損させたマウスは若齢では正常であるが、加齢により精巣の生殖細胞が枯渇しやすく、早期に生殖能力が低下していた(図参照)。このため、長期にわたり精巣の生殖細胞を維持するために、Rad18によるゲノム安定化が必要であることがわかった(Mec.Dev. 2009)。現在、さまざまなDNA修復遺伝子、細胞周期制御および細胞死誘導遺伝子を欠損したマウスを作成したところ、発ガン頻度が高くなるとともに、加齢により早期に不妊になることがわかってきた。生殖細胞を維持する機構には、発ガンを防御する機構と共通点があり、これを統合的に理解することにより新たな抗癌剤の開発または不妊治療に貢献したい。

 

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