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[発生研セミナー] 3/26(金) 15:00~久留米大 佐野浩子先生

2021.03.15 ●セミナー

第397回発生研セミナー

 

 

糖摂取と転写を結ぶメカニズム
佐野浩子 講師
久留米大学 分子生命科学研究所

 

日 時: 令和3年3月26日(金)15:00 ~ 1:00
場 所: 発生医学研究所 1階カンファレンス室
※コロナ感染症対策のため入室は20名までとし、ZOOMでも配信致します。
ZOOMアクセス方法の詳細はメーリングリストでお知らせします。

 

 

糖は動物の主要な栄養素の1つである。糖の摂取に伴い、細胞内への糖の取り込みや代謝の活性化が起こる。これらの生理応答の多くは転写を介して行われ、その異常は様々な疾患を引き起こす。しかしながら、糖の摂取が転写装置に伝達される仕組みには未解明な点が多い。私たちは、この問題について、ショウジョウバエを用いた研究を進めてきた。進化的に保存されたグルコース応答性転写因子Mondoをモデルとし、グルコース摂取がどのような代謝経路・産物を経てMondoの活性化を引き起こすのかを解析したところ、ポリオール経路の重要性が明らかになった。ポリオール経路はグルコースをフルクトースに変換する代謝経路であり、酵母からヒトまで保存されている。ヒトでは糖尿病患者において活性化するが、通常の栄養状態では機能しないと考えられてきた。本セミナーではグルコース感知におけるポリオール経路の役割について、ショウジョウバエで得られた結果に加え、最近開始したマウスを用いた解析についても紹介し、本経路の疾患への関与についても議論したい。

 

佐野先生は、本年度の「発生医学の共同研究拠点」事業の共同研究に採択されています。

 

連絡先 生殖発生分野 中村 輝 (内線6557)