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[発生研セミナー] 12/9 16:00~ 遺伝研・酒井則良先生

2020.12.04 ●セミナー

第391回発生研セミナー

 

 

ゼブラフィッシュにおける
雄生殖細胞培養系とその展開

 

准教授 酒井 則良 博士

情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所
 遺伝形質研究系 小型魚類遺伝研究室

 

日 時: 令和2年12月9日(水) 16:00~17:00

コロナ感染症対策のためZOOMで配信致します。
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精子形成は、精原幹細胞によって維持され、幹細胞の分化後の体細胞分裂による増幅、減数分裂、精子への変態(spermiogenesis)をたどる複雑なシステムである。私たちはこれらの過程のin vitroでの再現に取り組み、ゼブラフィッシュにおいて精原幹細胞の増殖培養系と精原細胞の分化培養系を確立した。精原幹細胞培養系では複数の増殖因子とdorsomorphinを添加することで精原幹細胞の分化を抑制して増殖を実現し、精原細胞分化培養系ではセルトリ細胞株を樹立し、それをフィーダーとすることで機能的精子まで分化させることに成功した。そして、2つの培養系を組み合わせることで精子形成の全過程を培養系で再現することができた。この培養系を用いることで、in vivoでは解析が難しい、例えば、リボソームの翻訳活性が精子形成に果たす役割を解析することが可能になった。また、精子形成過程における種々の因子のライブイメージングも容易になるため、現在、減数分裂過程のライブイメージング法を進めている段階である。本セミナーでは、こうした取り組みに加えて、メダカ等の他魚種への生殖細胞培養系の展開を紹介し、卵巣由来生殖幹細胞の精子形成誘導や培養系による個体の性成熟よりも早い精子産生の可能性について考察する。

 

酒井先生は、令和2年度発生医学研究所共同研究拠点に採択されております。

 

連絡先 染色体制御分野 石黒 啓一郎 (内線6607)