もっとも複雑な臓器の一つと言われる腎臓。
その発生機構解明と再生は「夢物語」とも言われました。
しかし今、私と当研究室スタッフで、その夢へ近づく、また一つ大きな扉を開けようとしています。

現在の主な腎臓病治療法である透析や腎移植は、患者の皆様とそのご家族にとって甚大な負担となっています。iPS細胞由来の腎臓オルガノイドや遺伝子改変動物など多様なシステムを統合することで、より良い腎臓病治療と新しい生物学的知見への貢献を目指しています。

腎臓を形成する前駆細胞は、腎臓を作り上げた後すぐに消失してしまいます。それが腎臓が再生しない理由の一つかもしれません。発生学を通して腎臓前駆細胞の性質を理解し、それらを人工的に体外で増やし、長期間の培養や凍結保存を実現化する研究を行っています。患者さんに負担のない新しい治療法の創出を目指しています。