発生医学研究所では、研究不正に関するガイドラインを策定しています。
◎研究不正防止対策についてのトピックス
この指針は、熊本大学発生医学研究所に所属し、「国立大学法人熊本大学における研究不正の防止等に関する規則」(平成27年3月26日規則第113号)および「熊本大学における人を対象とする医学系研究に関する規則(平成27年11月26日規則第287号)」に則って研究を実施する者が、公正な研究活動を推進するための基準を定めることを目的とする。
2.1. 責務の自覚
発生医学研究所において研究活動に従事する職員、学生等(研究者等)は、研究活動が社会からの信頼と負託によって成立していることを認識しなければならない。また、関連する規則ならびに手続きを遵守し、公正な研究活動を実施しなければならない。
2.2. 研究不正の防止
研究者等は利益(責務)相反を適切に管理し、捏造、改ざん、剽窃といった特定不正行為を行ってはならない。
3.1. 研究者等の基本的責務
研究者等は、研究成果発表の根拠となる資料(文書、数値データ、画像等)及び試料(実験試料、標本等)を後日の利用又は検証に堪えるよう適正に保存する。研究に係る資料及び試料の保存は、それらの成果を生み出した研究者自身が主たる責任を負う。研究者等は、調査委員会、研究資金配分機関等から試料・情報の開示を求められた場合には、原則的に開示しなければならない
研究に係る資料や試料は研究チームひいては研究機関に帰属するものであり、研究者等は、保存中の資料及び試料を外部へ持ち出す場合には、必要な手続きを取る。当該手続きは各分野で定めることとする。
大学院生や学生は指導教員が所属する部局の指針に従うものとする。連携大学院のPI教員が指導する大学院生については、当該教員が所属する研究機関の指針に従う。連携先の研究機関に指針が整備されていない場合には、当該機関で指針が整備されるまでは、本指針に従うものとする。
3.2. 管理責任者の基本的責務
発表論文や特許申請等に使用した資料及び試料の保存に関しては、それぞれ当該論文の責任著者(corresponding author)および特許申請代表者が管理責任者として責任を負う。また、管理責任者は、研究者等に対して資料及び試料を適切に保存するように管理・指導し、漏えい、混交、盗難、紛失等が起こらないように環境整備を行う。管理責任者は、調査委員会、研究資金配分機関等から資料及び試料の開示を求められた場合には、原則として開示しなければならない。管理責任者は、研究データの管理状況について定期的に点検を行い、漏えい、混交、盗難、紛失等が生じた場合、直ちに発生医学研究所長に報告する。
4.1. 資料の保存期間および保存方法
実験ノート、数値データ、画像等の資料については、論文等による研究成果の最終報告から少なくとも10年間保存する。ただし保管スペースの制約など止むを得ない事情がある場合には、合理的な範囲で廃棄することも可能とする。法令、共同研究あるいは契約等の研究資金配分機関が保存期間を定める場合には、それに従う。
実験ノート等の資料は当該研究者個人に帰属せず、研究チームひいては研究機関に帰属することを、研究者等は理解しなければならない。実験ノート等資料の管理責任は管理責任者が負う。
4.2. 試料および装置の保存期間および保存方法
実験試料や標本等の試料および装置(実験等の研究活動に使用する器具や機械)については、原則として、5年間保存する。場所、安定性ないしはコスト等の理由から保存が困難なものについてはこの限りではないが、研究終了あるいは成果公表後に必要に応じて第三者に提示し、研究結果の再現が可能で、研究の公正性を証明できるようなかたちで保存する。法令、共同研究あるいは契約等の研究資金配分機関が保存期間を定める場合には、それに従う。
試料の管理責任は管理責任者が負う。試料の管理場所が一目で分かるように、各試料の保管場所を明示した管理ノート、あるいは管理ファイルを作成するなど工夫をすること。
4.3. 電子データの保存期間および保存方法
各分野で実施した研究の全電子データについては、ハードディスク、サーバーあるいはクラウドなどで一括管理する。特に論文発表や特許申請に使用したオリジナルデータは、各論文、特許毎にCD等の記録メディアで保管するなど、厳重に保管すること。電子データは、10年間保存すること。電子データの管理責任は管理責任者が負う。
各データは、実験ノートとの対応が容易にできるように,ファイル名を「日付+簡易な実験内容」にするなど工夫して管理すること。
管理責任者は、研究者等の転出及び退職に際し、当該研究者から保存すべき資料・試料の所在に関する通知を受け、確認可能な状態にする措置を講じ、必要に応じてバックアップによる保存を行う。また、管理責任者自身が転出ないしは退職する場合には、新たに管理責任者を決定し、その者が当該責任を負う。
管理責任者は、組織の改編等により試料及び情報の保存が困難となる場合には、関係部局で協議を行い、適切な保存が行われる措置を取らなければならない。
6.1. 様式
実験ノートは、耐水性・耐薬品性を持った紙を使用し、長期保存に耐えられるものがよい。また、保存中の差替えや不正行為がないよう、糸綴じ製本されたものを用いることが望ましい。ルーズリーフの使用は原則として禁止する。
6.2. 記載方法および内容
【実験ノートの記載等に関する注意事項】 Word File版 (MS Word 100KB)
6.3. 資料
6.4. 管理
6.5. 論文発表届について
発生研所属者が関与した科学論文投稿時には 論文発表届(MS Word 50KB) をリエゾンラボ研究推進室に必ず提出する。
6.6. 実験サンプルの管理
6.7. 倫理研修およびリソース供給
6.8. 研究不正発生時の対策について
本ガイドラインは、平成28年3月9日から施行し、同日以降に熊本大学発生医学研究において実施される、全ての研究に対して適用される。