日 時: 平成31年1月15日(火)17:00~18:00
場 所: 発生医学研究所 1階カンファレンス室
脳を構成する主要な細胞であるニューロンとグリア細胞は、共通の神経系前駆細胞(Neural Progenitor Cell ; NPC)から生み出される。NPCは胎生10.5~11.5日目までは対称分裂によってその数を増やし(増殖期)、その後に非対称分裂によってニューロン(ニューロン分化期)を、次いでグリア細胞(グリア分化期)を生むようになる。特に、増殖期からニューロン分化期への転換の時期はNPCのプールサイズを適切に保ち、のちに産生される細胞の種類や数を調節するために厳密に制御されていると考えられている。この転換は少なくとも一部は細胞自律的な因子が司ると考えられているが、増殖期NPCへの遺伝子操作が困難であったことなどから、増殖期からニューロン分化期への運命転換時期を決める内的因子の実体は不明であった。我々は独自の手法でこの制御因子を探索する手法を確立し、現在増殖期からニューロン分化期への転換メカニズムの解明を目指しており、本セミナーではその研究結果についてご紹介したい。
岸先生は、平成30年度発生医学研究所共同研究拠点に採択されております。
連絡先 生染色体制御分野 石黒 啓一郎 (内線6607)