イベント&セミナー

[発生研セミナー] 3/1(月) 16:00~ 山形大 奥野貴士先生

2021.02.16 ●セミナー

第394回発生研セミナー

 

 

細胞膜の修復・再生を司る分子の解析と探索:筋ジストロフィーから海藻まで

奥野 貴士 准教授
山形大学理学部

 

日 時: 令和3年3月1日(月)16:00~17:00
コロナ感染症対策のためZOOMで配信致します。
ZOOMアクセス方法の詳細はメーリングリストでお知らせします。

 

 

細胞膜は、細胞内の恒常性やシグナル伝達を担う細胞機能に欠くことの出来ない膜構造体である。その細胞膜が物理的に損傷を受けると、迅速に損傷を修復するシステムが細胞に備わっている。筋細胞において膜修復を担うジスフェルリンの機能が損なわれると、筋肉の萎縮と筋力の低下などの障害を示し、筋ジストロフィー(ジスフェルリン異常症)を発症する。ジスフェルリンの機能/構造解明が求められるが、膜タンパク質の調製/解析に掛かる時間とコストが、研究推進のボトルネックの一つである。我々は、簡便に膜タンパク質の機能解析を実現する新しい膜タンパク質の調製方法を開発してきた。今回、培養細胞からジスフェルリンを含む細胞膜を直接ガラス基板上に固定し、細胞膜中のジスフェルリンのカルシウム濃度依存的な機能計測に成功した。
一方、緑藻のハネモは物理的に損傷し、海中に放出された細胞質から新しい個体が再生する。つまり、再生過程で、一度、細胞膜を失った状態を経て、細胞膜が再生すると考えられている。海中に放出された細胞質は、細胞膜の再生前に、なぜか球状に変形する。我々は、細胞膜再生の場である、球状のプロトプラストに注目し、その変形の仕組みの解明に挑戦している。本セミナーでは、最近得られた知見について紹介する。

 

奥野先生は、令和2年度発生医学研究所共同研究拠点に採択されております。

 

連絡先 分子細胞制御分野 山中邦俊 (内線6579)