【日時】 令和3年1月20日(水) 14:00~15:00
【会場】 発生医学研究所 1階カンファレンス室
*※感染症対策のため入室は20名までとします。ZOOMでリモート視聴できます。
【要旨】
炎症過程は、組織の形成・維持・再生に深く関わり、生体防御において重要な役割を果たしますが、不明な点が数多く残されています。私はこれまでに、炎症・免疫細胞に着目し、「エピゲノム」と「脂質」をキーワードにして、炎症応答の仕組みについて研究を行ってきました1,2,3。最近では、生理活性脂質の受容体BLT1の発現で規定される樹状細胞の新規サブセットを同定し、アレルギー性皮膚炎の発症機序を報告しました。また、ヒストン脱メチル化酵素KDM7Aによる抗炎症性マクロファージの分化制御について明らかにしました(未発表)。さらに、炎症応答と繋がりの深い、がんや細胞老化に関する研究に取り組んできました4,5,6。本講演では、樹状細胞とマクロファージの制御機構とともに、今後の研究の展望として、炎症記憶細胞の可視化マウス(作製中)を用いた炎症記憶に関する挑戦的な研究についてお話したいと思います。
1) Koga, Cell Mol Immunol, 2020.
2) Sasaki, Koga, JCI Insight, 2018.
3) Ichiki, Koga*, FASEB J, 2016.
4) Thonsri, & Koga*, Cancer Sci, 2020.
5) Nakao, Tanaka, Koga: Trends Cell Biol, 2020.
6) Tanaka, Igata, Etoh, Koga, Aging Cell, 2020.
【連絡先】熊本大学 発生医学研究所 細胞医学分野 中尾 光善(内線番号:6800)