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[発生研セミナー] 2/12 17:00~ 兵庫県立大 西谷秀男先生

2019.01.29 ●セミナー

第351回 発生研セミナー

 

 

【日時】 2月12日(火) 17:00~18:00

【会場】 発生医学研究所 1階カンファレンス室

 

【演題】 DNA複製を一度に規定するCRL4Cdt2ユビキチンリガーゼの活性制御

【講師】 西谷 秀男
兵庫県立大学大学院生命理学研究科 教授

 

【要旨】
遺伝情報の維持継承のためユビキチン化を介したタンパク質分解系が重要な働きをしている。CRL4Cdt2は、DNA複製のライセンス化因子Cdt1の分解に関わるユビキチンリガーゼとして同定された。その後、CDKインヒビターp21、H4K20モノメチル化酵素Set8などの分解にも関わり、細胞周期に一度だけのDNA複製を含め、ゲノム維持に重要な役割を果たしている。さらに、紫外線照射などによるDNA損傷の修復時にも機能して、同様にこれらの因子の分解に関わる。CRL4Cdt2は、DNAにロードされたPCNA(PCNAon DNA)に依存して機能する。この特性により、G1期においてCRL4Cdt2は機能できずCdt1は安定で複製起点のライセンス化に関わり、一方、複製が開始するとPCNAon DNA によりCRL4Cdt2が機能してCdt1を分解し、DNAの再複製を抑制する。Cdt1をはじめとするCRL4Cdt2の基質は、PIPデグロンというPCNA結合モチーフに加えて特殊なアミノ酸からなる分解配列を持つが、このCRL4Cdt2によるPCNAon DNAに依存した素早い分解がどのように行われるのかよく分かっていない。我々は、基質認識サブユニットCdt2のC末にDNA結合部位及びPIPボックスを見出した。これらの領域を欠失あるいは変異するとCRL4Cdt2の機能の低下が見られた。これらの結果をもとに、CRL4Cdt2のユビキチン化活性の合目的な制御の仕組みを考察する。

 

参考文献
Mazian M. et al. J. Biochemistry (in press)
Hayasi A. et al. Life Science Alliance (2018)

 

西谷先生は、平成30年度発生医学研究所共同研究課題に採択されております。

 

【連絡先】 損傷修復分野 立石 智 (内線番号) 6605