日 時: 平成30年7月3日(火) 15:00~16:00
場 所: 発生医学研究所 1階カンファレンス室
ポリコム群は、ヒストンH3K27トリメチル化を媒介するPRC2とヒストンH2AK119モノメチル化を媒介するPRC1と呼ばれる2種類のタンパク複合体を構成する。これらの複合体が、CpGアイランドを介して発生関連遺伝子に結合し、それらの転写抑制に寄与することが示されてきた。その一方で、これらの標的遺伝子群の発現状態の変化にポリコム群が寄与することも明らかになってきた。このようなポリコム群の多彩な機能に対応して、PRC1は少なくとも6種類のサブ複合体から構成されることが明らかになってきた。そして、これらは、PRC1の触媒因子であるRING1を共有するが、RING1のRINGフィンガー領域に結合するPCGF因子によって相互に区別される。これまでの、遺伝学的な解析からこれらのサブ複合体は、異なる局面で作用することが明らかになってきた。これらの作用メカニズム、特に標的遺伝子の発現状態が変わるときに、これらの複合体がどのように作用するのかについて概説する。
連絡先 生染色体制御分野 石黒 啓一郎 (内線6607)