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[発生研セミナー] 12月11日16:00~ 遺伝研 加藤譲先生

2017.11.10 ●セミナー

第320回発生研セミナー

 

マウス生殖細胞の発生・分化におけるRNA制御機構

 

助教 加藤 譲 博士
国立遺伝学研究所 系統生物研究センター

 

日 時: 平成29年12月11日(月) 16:00~17:00
場 所: 発生医学研究所 1階カンファレンス室

 

RNA結合タンパク質が介するpost-transcriptionalな遺伝子発現制御機構は生物種を越えて生殖細胞の発生・分化において主要な役割を担っている。哺乳動物のモデル生物であるマウスにおいても進化的に保存されたRNA結合タンパク質の寄与が報告されているが、その理解はまだ十分に進んでいない。これまでに我々はマウス生殖細胞の雄性分化に焦点を当て、RNA制御機構の解明に取り組んできた。生殖細胞の雄性分化においてRNA結合タンパク質NANOS2は必須の役割を果たすが、NANOS2が介するRNA制御機構、並びにNANOS2の標的RNAは未解明であった。我々はこの問題に取り組み、同じくRNA結合タンパク質をコードするDazl 遺伝子をNANOS2の標的RNAとして同定した。本セミナーではNANOS2標的RNAの同定から見えてきた生殖細胞の雄性分化におけるRNA制御機構について議論したい。また、本セミナーの後半では我々が現在取り組んでいる原始卵胞形成過程におけるRNA制御機構についても紹介したい。

 

参考文献:
Kato, Y. et al. Dazl is a target RNA suppressed by mammalian NANOS2 in sexually differentiating male germ cells. Nat. Commun. 7:11272
doi: 10.1038/ncomms11272 (2016).

 

連絡先 染色体制御分野 石黒 啓一郎 (内線6606)