【Date】 Apr. 26 (Tue), 2016 14:00~15:00
【Venue】Conference room, 1st floor,
Institute of Molecular Embryology and Genetics (IMEG), Kumamoto University
【Title】 CDBと私の研究(体の左右非対称性における繊毛の役割)
【Speaker】 濱田 博司 博士 Hiroshi Hamada
理化学研究所 多細胞システム形成研究センター (RIKEN CDB) センター長
【Abstract】
私たちの腹腔内の器官は、その位置や形が左右非対称であり、左右非対称性の異常は多くの場合、心奇形を伴うHeterotaxyを引き起こす。左右非対称性は胚発生の早い時期に、3つのステップを経て生み出される:1) ノード(あるいはノードに相当する部位)で左右対称性が破れる–→2) 左右の中胚葉細胞が非対称な遺伝子発現を示す–→3) 各器官が非対称な形・位置を獲得する。対称性の破れにおいては,繊毛が中心的な役割を果たす。哺乳動物を含むほとんどの脊椎動物では,ノードに存在する動く繊毛が回転運動をすることによって生じる一方向性の液体の流れが、左右対称性を破る。左右非対称性が生じる機構について、これまでの研究の進展を振り返りつつ、幾つかの重要な未解決の問題、例えば 1)繊毛の回転運動が左向きの水流を生じることができるのは,繊毛が体の尾側へ向って傾いているためであるが、なぜ尾側へ向って倒れるのか? 2)ノードの繊毛は、気道の繊毛などと違ってなぜ回転運動できるのか? 3)水流の働き、水流はどのような機構で感知されるのか? などについて最新の進歩を紹介する。
このセミナーは日本語で行われます。 This seminar is held in Japanese.
【References】
1) Shinohara, K., Chen, D., Nishida, T., Misaki, K., Yonemura, S. and Hamada, H. (2015). Absence of radial spokes in mouse node cilia is required for rotational movement but confers ultrastructural instability as a trade-off. Dev. Cell. 35(2):236-246.
2) Yoshiba, S. and Hamada, H. (2014). Cilia, fluid flow, and Ca2+ signal in left-right symmetry breaking. (Review). Trends in Genetics. 30(1):10-17.
【Contact】 Dept. of Kidney Development, Ryuichi Nishinakamura (Ext. 6615)