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国立大学法人熊本大学 国際先端研究拠点
学術集会参加報告 2018年度

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2018年11月29日~30日
日本分子生物学会@パシフィコ横浜(神奈川県)

大学院生命科学研究部 神経分化学分野 伊藤尚文

 

 

“細菌取り込みによる細胞の分化転換“というタイトルでポスター発表を行った。
概要
ヒト細胞に乳酸菌を取り込ませると細胞塊を形成し、多分化能を持った細胞に転換する。
乳酸菌から多分化能を誘導する分子を探索し、リボソームであることを明らかにした。
リボソームで誘導した細胞塊を構成する細胞は多能性因子を発現するがパッチ状である。
細胞塊では細胞周期やオートファジーに関連する発現変動が見られる。

主な質疑応答
Q:細胞塊が形成されるのはリボソームを添加してから24時間でできるようだが、最初は何がキーとして働いているのか?
A:最初の段階の解析はまだ進めていませんが、今後優先して解析する予定です。

Q:細菌が多能性を誘導するという現象は一般的なのか?
A:機構は異なるが、らい菌やピロリ菌は細胞の分化を転換することで、細菌にとって有利なニッチを形成する。乳酸菌は感染性ではなく、今回の実験では人工的に取り込ませているので、自然界の条件とはだいぶ異なると考えられる。

Q:いくつかの細胞が多能性を発現するようだが、リボソームの取り込まれる量と多能性の発現に相関はあるのか?
A:細胞塊の形成はリボソームの量で閾値がある。シングルセルレベルでの発現はまだ調べていないので、ぜひ調べて見たい。

Q:大量のリボソームを外からいれると、中のリボソームの発現になにか変化はあるのか?
A:まだ調べたことはありません。細胞増殖が止まり、オートファジーが活性化することからタンパク質合成は抑制されていると想像できますが、これから調べて見たいと思います。

以上です。