国際先端研究拠点
国立大学法人熊本大学 国際先端研究拠点
学術集会参加報告 2017年度

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参加報告

12th International Conference on Cerebral Vascular Biology
28 November – 1 December. 2017 Melbourne (Australia)

 

大学院生命科学研究部(薬)微生物薬学分野
伊藤 慎悟

 

2017年11月28日から12月1日の4日間の日程で行われた12th International Conference on Cerebral Vascular Biologyに参加し、ポスター発表を行ったので参加報告をさせていただきます。
本学会は2年に1度開催される脳血管に焦点を当てた国際シンポジウムです。今回は初めて南半球のオーストラリアのメルボルンで開催されました。本学会の参加者は100名程度と少ないですが、世界中からこの分野のトップサイエンティストが参加するため、最新の研究成果に関して情報収集および意見交換をするには絶好の場でありました。私は本学会において、「Regulation of tight-junction integrity by insulin in an in vitro model of human blood-brain barrier」についてポスター発表を行いました。発表内容はBBBにおける密着結合の制御機構にインスリンシグナルが関与することを明らかにしたことです。これまでBBBの密着結合は脳側の因子によって制御されていることが報告されていましたが、本研究成果では血液側の因子によってもBBBの密着結合が制御されていることに関して多くの参加者が関心を示しめしてくれました。本学会においては、脳送達率が5%もある新しいBBB標的型ナノパーティクルを用いた有益なドラックデリバリーシステムや、BBB透過抗体を結合させたアミロイドβペプチドを標的としたアルツハイマー病治療薬、新しいin vitro BBBモデル細胞系が報告されていました。また、ポスターセッションやブレイクタイムには多くの研究者と話をする機会があり、有効を深めるとともに、未発表の有益な情報を得ることができました。
最後に今回の発表のため旅費を支援いただいた「国際先端研究拠点における研究成果発表支援」プログラムに感謝いたします。

 

留学先PI(左)、共同研究者(右)と本学会主催者(右から2番目とともに。