国際先端研究拠点
国立大学法人熊本大学 国際先端研究拠点
学術集会参加報告 2014年度

多能性幹細胞分野 博士課程3年 大垣総一郎

5月27日から4日間、名古屋で開かれた第47回発生生物学会に参加した。会場は駅からも近く、前年に別の学会でも訪れたことがあるので分かりやすかった。名古屋は交通網が発達しており、移動には便利だが地下に下りてしまうと、毎回迷ってしまい最終日までよくわからなかった。しかし、一緒に参加した修士課程の大森久嘉氏に毎日ナビで案内してもらい助かった。お昼に名古屋城を二人で見に行ったがその時はナビのおかげで運動になり、発表にも遅れそうになったが無事間に合った。
私は消化器に関する研究をしているが、毎年あまり関連する研究はない。しかし今年は比較的、内胚葉や膵臓、肝臓、呼吸器、消化器など関連する研究も多かった。消化器の幹細胞の大家であるHans Clevers教授や内胚葉の研究をされているKat Hadjantonakis教授も来日されていた。Kat Hadjantonakis教授らのグループの研究は私が初めて研究室内の論文紹介で発表した仕事であり、非常に印象に残っている。彼女らのグループは内胚葉の移動についての発表であり、従来の説では臓側内胚葉を胚性内胚葉が押し出し、その後胚性内胚葉から腸管が形成されるというものであったが、Afp::GFPマウスをイメージングすることで臓側内胚葉由来細胞も拡散し、腸管に貢献するといものである。既報の内容に加え、移動の機構について迫っており、私の研究結果にも近いデータが見られて非常に感動した。また今回私は、ES/iPS細胞を用いた内胚葉分化のメカニズムについて発表した。発生生物学会では、毎年、モデル動物を用いた話が多いが、今年は私同様にES細胞を用いた話も多かった。Kat Hadjantonakis教授もES細胞を用いて解析されていた。
今回は、デンマークからOBの勝本恵一氏も参加されており、あまりにも風貌が変わっていたために初めは話しづらかったが発表も興味深く、また私のポスターにも色々と意見を頂いて、とても勉強になった。大森氏の研究にもアドバイスを頂き彼の研究も勝本氏のおかげで進展がみられそうである。しかし、勝本氏に一番お世話になったことはひつまぶしをごちそうになったことである。

 

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