国際先端研究拠点
国立大学法人熊本大学 国際先端研究拠点
学術集会参加報告 2014年度

報告書:国際先端研究拠点支援による学会発表について

生命科学研究部 神経分化学分野 伊藤尚文

 分泌型タンパク質Tsukushi(TSK)による神経幹細胞ニッチ制御について、ワークショップとポスター発表を行った。Notch signalのワークショップで講演させていただき、Notch signalとの関連も討論できました。また、ポスターも20人くらいに話を聞いてもらえることができました。いろいろ有意義な情報もいただきました。

発表内容の要約
・TSKは分泌型タンパク質であり、脳室側壁や海馬で高発現している。
・TSKはWnt signalを阻害して、細胞増殖を抑制する。
・TSKは脳室上皮から発現する。
・TSKは血管からも発現する。
・TSKは脳室上皮と血管から神経幹細胞ニッチを取り囲むように分泌して、神経幹細胞の増殖を制御している。

質問と回答
・Tunel assayをもっと若いマウスで行ったことはあるか?
→まだやっていないが、これから行う。
・血管の構造異常を数値化したほうがよい。
→今後、行います。
・Notch signalと、TSK-KOによる血管形成異常は関係があるのか?
→Notchシグナルは血管形成に関与していて、NotchのリガンドであるDll-4が、網膜血管では血管分岐点で発現していることが知られている。カエルでのデータであるが、TSKはDll-4に結合することがわかっているので、マウスの脳でも同様に調べてみて、TSKがNotchシグナルに影響して血管新生を制御するかどうかを調べてみます。

以上です。

 

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