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NewPress:大豆グリセオリンI が再発乳がんモデル細胞の増殖を抑える

2018.10.24 ●ニュース

大豆グリセオリンI が再発乳がんモデル細胞の増殖を抑える

-エストロゲン療法に関わる新たなメカニズムを解明-

 

公益財団法人がん研究会の斉藤典子部長(がん生物部)、国立大学法人熊本大学発生医学研究所の中尾光善教授(細胞医学分野)らの研究グループは、国立大学法人九州大学、大豆エナジー株式会社らとの共同研究で、大豆から得られたフィトアレキシンの1種であるグリセオリンIという天然小分子化合物が、治療抵抗性となった再発乳がんを模した培養細胞の細胞死を誘導し、増殖をおさえる生理活性を持つ機序を明らかにしました。その機序として、グリセオリンIは、エレノアとよばれるRNA分子、およびエストロゲン受容体の遺伝子の働きを抑制しました。本研究者らは、女性ホルモンのエストロゲンや、ポリフェノールの一種のレスベラトロールにも同様の生理活性のあることをすでに見出しておりますが、グリセオリンIはそれらと異なるメカニズムで作用することから、グリセオリンIの作用機序が再発乳がんの新たな治療薬の開発につながる可能性を示しました。

 

Tatsuro Yamamoto, Chiyomi Sakamoto, Hiroaki Tachiwana, Mitsuru Kumabe, Toshiro Matsui, Tadatoshi Yamashita, Masatoshi Shinagawa, Koji Ochiai, Noriko Saitoh, and Mitsuyoshi Nakao. Endocrine therapy-resistant breast cancer model cells are inhibited by soybean glyceollin I through Eleanor non-coding RNA. Scientific Reports 2018 Oct 12. doi: 10.1038/s41598-018-33227-y

 

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