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[発生研セミナー] 2/15 16:00~ 基生研 藤森俊彦先生

2018.02.08 ●セミナー

第325回発生研セミナー

 

卵管における細胞極性

 

藤森 俊彦 教授
基礎生物学研究所 初期発生研究部門

 

日 時: 平成30年2月15日(木)16:00~17:00
場 所: 発生医学研究所 1階カンファレンス室

 

 

ほ乳類の卵管は卵巣と子宮をつなぐ器官であり、卵巣から放出された卵は子宮へと輸送される。受精も卵管内で起きるなど生殖・発生に必須の器官である。単層卵管上皮は多繊毛細胞と分泌細胞からなる。多繊毛細胞のアピカル面には細胞あたり150本程度の繊毛が存在しており、一方向に揃って運動することで、卵胞や卵管内の液が輸送される。卵管上皮細胞は卵管の長軸に平行に内腔面に突出したヒダ構造を形成している。卵管としての機能を発揮する構造を形成するには、組織内の個々の細胞が同調した極性を獲得する必要があると考えられる。我々は、マウス卵管における平面内細胞極性の獲得と、その下流で起きる機能的な構造の形成がどのように制御されているかを解明することを目指している。これまでに、平面内細胞極性因子であるCelsrやVanglが卵管の極性形成に重要な役割を果たしていること、細胞極性から組織形態の制御には機械的な力が関与する可能性が示唆された。未解明の問題などにも触れつつ、卵管における細胞極性形成について議論したい。

 

連絡先 生殖発生分野 中村 輝 (内線6557)