イベント&セミナー

八代中学の生徒さんたちが当研究所を訪れました(特別講義の動画あり)

2012.06.08 ●セミナー

八代中学校の生徒が研究所訪問

 

6月8日、八代中学校の生徒さん約80名が昨年、一昨年同様本研究所の見学に来られました。
オリエンテーション後、分化制御分野の佐々木教授、大学院先導機構の佐藤特任助教による講義を受け、その後はグループごとに各分野で簡単な研究体験をしてもらいました。

 

 

 

 

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以下、生徒さんの感想です。

 

僕は、発生医学研究所に行き、生物の細胞など目に見えない成果での最先端技術にとても興味を持つことができました。僕は、医者になるのが夢で、この研究所では生物は様々な視点から学ぶことができることを知り、もっと医学を知りたくなりました。
僕が見学をした分野の一つ目は「分化制御分野」です。最初にうがいをし、「何をするのだろう?」と思ったときに、口の中の細胞を取り出すと聞かされたので、驚きました。その細胞は、口腔上皮細胞というらしく、それを顕微鏡で見てみると、濃い紫色になっているところがあり、そこが細胞だと分かりました。この分野で、細胞というのが身近なものだと感じることができました。
もう一つの分野は、「細胞医学分野」です。生物の体にはゲノムがり、各細胞で使う遺伝子と使わない遺伝子に分けるものをエピジェネティクスということが分かりました。また、何の核酸なのかを調べるために電気を流すことも分かりました。核・核膜・ミトコンドリアを染色し、顕微鏡で見ると、どれがどれなのか色ではっきりと区別ができ、脂肪前駆細胞の仕組みが何となく分かりました。この分野には興味を持てました。発生医学研究所見学を終えて、最先端の技術というもののすごさが分かりました。専門用語が多用されていたので正直なところ分からない所も多かったのですが、大学の先生方が詳しく説明して下さったおかげでだいたい理解することができました。これからも医学について学んでいきたいです。

 

普段なかなか入ることができないような素晴らしい施設で、世界の最先端をいくようなとても貴重なものを見ることができて、とてもうれしかったです。この学習をする前は発生医学の研究がどのようなものかはあまり分からなかったけど、この研究の応用が将来の医学につながってくると知って、今の世の中になくてはならないとても重要なものだと分かりました。細胞同士の会話の講義では、人はおよそ60兆個の細胞から成り立っていて、それぞれの細胞が適切な仕事をしているからこそ人は正しい体を持つと分かり、人間の体はコンピュータよりもすごいんだと感動しました。このことを利用して、逆に病気になっている動物を助けたりすることもできる医療の研究をしておられるんだなと納得しました。ウズラが卵の中で育つときの講義では、ウズラは比較的に身近にある動物なので、そういう動物の何を一生懸命研究しておられるんだろうと思っていたら、ウズラは卵からふ化するまでの様子が観察できるので、胚の発生の仕方が分かり、それが傷ついてしまった組織を再生させる研究に役立つと知って驚きました。自分の身近にある動物が、未来の生物を支えていく土台になるんだと思い、自分が食べる物や使う物に感謝の気持ちを持つことが大切だと思いました。この研究所では、他に研究しているものもたくさんあったので、中学生の時からこんな貴重な体験をさせていただいて素晴らしいことだと思いました。講義の先生方の話の内容もとても分かりやすく、さすが研究の第一線で活躍していらっしゃる方々だと思いました。ここで学んだことの誇りを絶対に忘れず、今後の学習に更に励みたいです。

 

私は、とても今回の見学を楽しみにしていました。だから、講義も班別行動の見学もすごくおもしろかったです。私は女子ですが、神経が図太く、内臓 ( マウスの ) をみたりするのも抵抗がなかったです。むしろ、私はこのような活動が好きなんだなあと思いました。やはり人間とは形が違ったり、それでも胚の状態では胎児と似た形だったり、初めて知ることばかりで驚きの連続でした。マウスの胚が一日でものすごく成長し、大きくなるのが目に見えて分かり、形が似ていても違う生き物なんだなあ、と改めて感じました。キメラマウスはオスの精巣の中に2種類の精子を持っているということに驚きました。 A のマウスと B のマウスのキメラマウスは、どちらの細胞からも構成され、新しい C のマウスになるのに、 C のマウスは2種類の精子を持っているから, A の精子を使って受精したら A のマウスになる、ということです。そこで、また C のようにならないのかと感心しました。そして、細胞同士の会話というものがあることも初めて知りました。今、自分がこうして成り立っているのは、その会話があってこそなんだなあと思います。逆に、会話がないと細胞同士の働きが悪くなり、体内のそれぞれの器官が機能しないことにも驚きました。私たちにこのような貴重な学習の場を提供して頂いた研究所の先生方に深く感謝します。本当にありがとうございました。

 

今回、熊本大学発生医学研究所を訪れて、私は小児科の医師とかねて研究者にもなりたいと思いました。研究への熱意・研究内容のすばらしさ・発生医学の大切さに圧倒されました。細胞同士の会話で、ヒッポシグナルができないと頭や手や足ができなかったり、がんになったりと、今の私があるのは、このおかげなんだなと思いました。ウズラの卵では、胚を見ることができると聞いて驚きでした。また,胚を見ることができることと GFP 細胞により、血管のでき方や正中線が2本から1本になったことを突き止めていらっしゃって感動しました。幹細胞誘導分野を見学したときは、私の体の一部一部が決まった細胞で、 iPS 細胞は全ての細胞になれるなど,本当にびっくりしました。そこで、私が思ったことは「視力は戻らないと言われているが、 iPS 細胞を使えば、戻るのではないか?」ということです。もし、まだ分かっていないのなら、自分の手で確かめてみたいです。そして、私が一番感動したのは、分子細胞制御分野です。ここの分野の研究内容を知って、「この研究に携わってみたい!」「研究を受け継ぎたい!」と思いました。山中先生から分かりやすくおもしろい説明をしていただきました。 GFP 細胞を投与された線虫で、アルツハイマーの治療や予防が分かることに心ときめきました。線虫や映像を食い入るように見ることができ、本当に感動しました。山中先生、尊敬します。山中先生に出会えてよかったです。このときめきを誰かに知ってほしくて、家族一人一人に説明もしました。人の記憶は10分しか持たないといいますが、ヒッポシグナル・ウズラ・ GFP 細胞・ iPS 細胞・幹細胞誘導分野・分子細胞制御分野・先生のお言葉隅々まで覚えています。そのくらい、ときめきました。本当に見学できてよかったです。ありがとうございました。

 

「熊大発生学研究所」と聞き、始めは「何をしておられるのだろう?」、「 iPS 細胞って何?」といったような分からないものが多かったのですが、事前学習をなどを行っているうちにすごいことをしておられるんだなあ、と思ってきました。訪問する前からわくわくしていたのですが、行ってみると高度な研究をしておられて、「すごい!」の言葉しか出ないほど感動しました。始めに小掠先生の講義を聞き、熊大発生医学研究所がどれだけすごい研究をされているのかを分かりやすく教えて頂きました。主要3部門に分かれて研究を行っておられて、マウスを始めとする実験動物を用いた実験をされていることも教えて頂きました。また、体のどの部分にも成りうる iPS 細胞についても教えて頂きました。佐々木洋先生には「細胞同士の話を聞こう」という題で、隣り合った細胞や、離れた細胞の連絡の取り方や連絡が取れないとどのようなことになるのかを教えて頂きました。細胞の働きには、 DNA が深く関わっていて、遺伝子も関わっていることを分かりやすく教えて頂きました。難しい言葉がたくさん出てきて大変でしたが、細胞について深く知ることができました。佐藤先生には実験に使われている様々な実験動物について学ばせてもらい、とても楽しい授業でした。僕のお邪魔した疾患モデル分野では、マウスの肝臓の遺伝子を取り出しました。できるはずがない、と思っていた分、感動は大きかったです。また、小さなマウスを触らせて頂いたのも深く印象に残っています。今回の訪問で学んだことはたくさんありました。今後、それが生かせる時が来たとき、しっかりと生かして医療の発展に役立てたいです。

 

熊本唯一の、いや日本唯一の発生医学研究所ということで、とても心をときめかせて学校を出発しました。最初の3つの講義では、知識がゼロに限りなく近かった私もちゃんと分かりました。というより、分かるように教えていただいたに近いと思います。文字、図や色、写真やムービーも織り込んである講義は、中学生にぴったりのレベルでした。しかし、決して易しいものではなく、きちんと専門的な言葉も使い、大学の講義のような雰囲気もありました。そして、講義をされた先生方は、自分の研究による快挙、成果に対して自信を持ってお話しされていて、かっこよかったです。特に、佐々木洋先生の「細胞同士の話を聞こう」が興味深かったです。細胞はもう生まれたときから、「自分は何になるんだ。」と分かっていると思っていたけれども、体が作られるときは細胞は会話をして、役割分担が行われているんだなあ、と細胞の知恵にびっくりしました。また、正しい数だけ正しく作って正しく組み立てることができないと、体に異変が起きて、正しく型ができない。そのことを知った私は、今まで普通に思ってきた自分の体のすごさを知り、同時にありがたみを感じました。後半の2つの分野見学では、講義で見たウズラの卵を実際に見ることができて、ちょっと得した気分になりました。特に、心臓が動いて血を送っていることにびっくりしました。今更ながら、胚 ( 赤ちゃん ) は生きているんだなあ、と思いました。電子顕微鏡で見たアリは、毛むくじゃらで、ごわごわしていました。「さすが、働き者のアリ!」と、軽く考えましたが、熊大の厳粛な場でそれを口にすることはやめました。次に行った多能性幹細胞分野では、よく笑われる明るい粂先生方 ( 夫婦 ) が温かく迎えて下さいました。そこでは、初の糖尿病の薬 ( インシュリンではない物 ) を iPS 細胞で作ってみよう!という研究をされていました。また、ショウジョウバエを使って、ドーパミンや眠りについて調べておられ、とてもかっこよかったです。最後に、何だかんだ言って、一番感じたのは、研究をされている方々は目がキラキラされていました。私も目がキラキラなるようなものを見つけられたらなあ、と思います。

 

私は、熊本大学発生医学研究所を見学して、とても多くのことを学びました。まず、私が発生医学研究所を訪れて思ったことは、想像していたよりもはるかに建物が大きかったことです。また、研究所の中はとてもきれいで、設備も充実しているなあと思いました。最初は、教授の方々の講義がありました。始めは、小掠光教授の講義があり、発生研の説明やヒト ES 細胞などの説明があり、分かりやすい言葉で説明して下さいました。発生研が何をされているのか分かったし、細胞についての知識も増え、ためになる講義でした。続いての講義は、佐々木洋教授でした。佐々木先生の講義はどれも興味深いもので、たくさんのことを知ることができました。その講義の中で、特に私が興味を持ったのが、「細胞同士は会話をしている」です。細胞同士が会話をして体ができているなんて驚きだったし、その会話にも「はなれた細胞との会話」と「となりの細胞との会話」の2種類があるそうで、すごいと思いました。とてもおもしろい講義でした。最後の講義は、佐藤有紀特任助教でした。佐藤先生は、ウズラの卵についての話をとても笑顔でされていて、本当にウズラの卵の研究が好きなんだろうな、と思いました。3人の先生方の講義はとても興味深く、ためになる講義でした。研究室見学で私たちの班は、まず最初に疾患モデル分野の研究室に行きました。そこで、マウスの DNA などの説明を受けた後、実験をしました。用意してあった容器の中に入っていた液体にある液体を入れて上下に振ると、白い糸状の物が現れました。それは、マウスの DNA だそうです。私は、少しの作業で DNA が取れるなんてすごいと思うと同時に驚きました。いただいた DNA は家に飾っています。次に、組織幹細胞分野の研究室に行きました。その研究室では、マウス胎生期の血管構造の過程の説明を受けた後、胎生期マウスの血管を染色した試料を用いて血管構造を顕微鏡で見ました。マウスの血管が細かい所まで見ることができてよかったです。最初の研究室では、実際にマウスを触ることができ、よかったです。熊本大学発生医学研究所の見学や講義は、私たちにとってとてもためになりました。たくさんのことを知ることができてよかったです。私たちのために、いろいろな準備をして頂き、本当にありがとうございました。