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[発生研セミナー] 2/3(水) 17:00~ 東北大 福永浩司先生

2021.01.20 ●セミナー

第395回発生研セミナー

 

オリゴデンドログリア細胞における
脂肪酸結合タンパク質と脂質代謝異常
(Fatty acid-binding proteins and cytotoxic lipid in the oligodendrocytes)

 

教授 福永 浩司 博士

東北大学 大学院 薬学研究科 薬理学分野

 

日 時: 令和3年2月3日(水)17:00~18:00
コロナ感染症対策のためZOOMで配信致します。
ZOOMアクセス方法の詳細はメーリングリストでお知らせします。

 

Krabbe病はガラクトセレブロシダーゼ欠損により、神経系に微量のサイコシンが蓄積し、中枢神経系のオリゴデンドログリア細胞と末梢神経系のシュワン細胞の障害によりを引き起こされる神経変性疾患である。しかし、サイコシンにより引き起こされる細胞障害の機序は不明である。私達はサイコシンの毒性発現に脂肪酸結合タンパク質(FABP)であるFABP5とFABP7が関与することを見出した。FABP5とFABP7はオリゴデンドログリア細胞に発現し、細胞質に存在する。オリゴデンドログリア細胞株であるKG-1C細胞をサイコシンで刺激すると、FABP5の発現が上昇し、その一部はミトコンドリア内に蓄積する。その後、VDAC-1とBAXの複合体が形成され、ミトコンドリアDNA、チトクロームCが細胞質に遊離して、カスパーゼ3の遊離が起こる。加えて、αシヌクレイン発現グリア細胞ではサイコシン処置により、オリゴマー形成が起こり、細胞死が惹起された。以上、サイコシンのグリア細胞の毒性発現には少なくとも2種の脂肪酸結合タンパク質が関与していることが明らかになった。

 

福永先生は、令和2年度発生医学研究所共同研究拠点に採択されております。

 

連絡先 ゲノム神経学分野 塩田 倫史 (内線6633)