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[発生研セミナー] 3月31日15:00~理研 西村隆史先生

2017.03.27 ●セミナー

第306回発生研セミナー

 

ショウジョウバエ個体発生における貯蔵糖の生理的役割

 

チームリーダー 西村 隆史 博士
理化学研究所 多細胞システム形成研究センター
成長シグナル研究チーム

 

日 時: 平成29年3月31日 (金) 14:00~15:00
場 所: 発生医学研究所 1階カンファレンス室

 

 

我々の研究室では、キイロショウジョウバエを用いて成長と発育進行に関する研究を行っている。キイロショウジョウバエは、胚発生の後、幼虫期と蛹期の変態過程を経て成虫になる。幼虫期の成長と発育進行には、栄養源などの外界環境要因が大きく影響する。進化的に保存されたインスリン様ペプチドは、成長と代謝の両方を制御する重要な内分泌ホルモンである。インスリン様ペプチドの機能破綻は、成長障害と共に血糖や貯蔵脂質などの代謝異常を引き起こす。しかしながら、変異体で観察される成長障害と代謝異常は、独立した事象なのか相互に関係しているのか、不明な点が残されている。
そこで我々は、遺伝学的に貯蔵糖および血糖の代謝異常を引き起こした際に、個体発生にどのような影響が生じるのかを解析している。本セミナーでは、変異体を用いた表現型解析で明らかになった多糖グリコーゲンと血糖トレハロースそのものの生理的役割について紹介する。また、高血糖により生じる成長障害とその原因についても議論したい。

 

連絡先 生殖発生分野 中村 輝 (内線6557)