ニュース

NewPress: 細胞老化を防ぐ酵素「NSD2」を発見

2020.06.24 ●ニュース

細胞老化を防ぐ酵素「NSD2」を発見

-老化をコントロールできる時代に向けて-

 

熊本大学発生医学研究所 細胞医学分野の中尾光善教授、田中宏研究員、井形朋香研究員(日本学術振興会特別研究員 令和2年3月まで)らは、網羅的な遺伝子解析を用いて、細胞老化をブロックする酵素「NSD2」とその働きを初めて解明しました。NSD2は細胞増殖や数多くの遺伝子の働きを調節する酵素です。今回、老化細胞においてNSD2の量が著しく減少すること、また、正常な細胞でNSD2の働きを阻害すると細胞が速やかに老化することが分かりました。さらに、細胞増殖の過程でNSD2の量が増加して、増殖を促進する遺伝子群の働きを活発化する役割をもつことも解明しました。

この成果は、NSD2が減少することで細胞老化が促進されるメカニズムを明らかにしたことから、老化のしくみの解明および制御法の開発、発生過程の病態解明につながることが期待されます。

本研究成果は、文部科学省科学研究費補助金、日本医療研究開発機構(AMED)革新的先端研究開発支援事業、内藤記念振興財団研究助成、武田科学振興財団研究助成などの支援を受けて、老化分野の科学雑誌「Aging Cell」オンライン版に英国(GMT)時間の令和2年6月22日【日本時間の6月23日】に掲載されました。

 

細胞医学分野の研究成果概要はこちら

熊本大学ホームページの記事はこちら