疾患特異的iPS細胞を用いた遺伝性腎疾患の病態解明拠点

 

 

疾患特異的iPSホームへ

 

1) 先天性ネフローゼ症候群のiPS細胞樹立と病態解明研究
先天性ネフローゼ症候群症例を熊本大学が中心となって集積し、そのiPS細胞を樹立する体制を整備します。iPS細胞の樹立は、発生医学研究所幹細胞誘導分野(江良拓実 教授)にて行います。私たちがiPS細胞から糸球体を誘導し、蛋白濾過を司るポドサイト(糸球体上皮細胞)の異常を再現します。そして変異の違いによるポドサイト形成への影響と発症メカニズムを解明します。

 

2) 常染色体優性多発性嚢胞腎の樹立済みiPS細胞を用いた病態解明研究
常染色体優性多発性嚢胞腎に関しては既に京都大学(長船健二 教授)がiPS細胞を樹立済みです。これを熊本大学と共有して尿細管の最適な誘導法を開発します。そして変異の違いによる尿細管形成への影響と病態を解明します。

 

3) iPS細胞を用いた高度な病態解析技術の普及と腎臓領域の疾患解明・創薬研究
このように蓄積したiPS細胞株、樹立・維持条件、分化誘導法など高度な病態解析技術を広く研究者コミュニティに普及させ、腎臓領域の他の疾患の病態解明や創薬研究を進めていきたいと考えています。

樹立したiPS細胞株は、提供者を直接特定できない形にした上で理研バイオリソースセンター(茨城県つくば市)に寄託され、求めに応じて国内や海外の研究機関に配布されます。