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9月26日(月) 16:00~発生医学研究所 新任講演会を開催します

2016.09.14 ●セミナー

第278回 発生研seminar

発生医学研究所 新任講演会

 

丹羽教授が2015年4月から、石黒准教授は9月より発生研へ着任されました。下記の通り記念講演を開催致します。

※セミナーは英語で行われます。(This seminar is held in English.)

 

【Date】 Sep. 26 (Mon), 2016 16:00~17:00
【Venue】発生医学研究所IMEG 1階カンファレンス室

 

 

【Speaker 1】染色体制御分野 石黒啓一郎 准教授
【Title】減数分裂における染色体制御

 

減数分裂における染色体分配様式は、第一分裂に還元型(半数化)の染色体分配が余分に挿入されている点が体細胞分裂と異なり、両者の本質的な違いを決定付けている。とりわけ、減数第一分裂における(1)姉妹動原体の接着制御、(2)二価染色体の形成機構、(3)染色体のaxis構造形成、これらの問題の分子機構が謎とされていた。しかしながら高等動物では、遺伝学的スクリーニング手法が容易に適用できないために、その染色体の構成因子や制御機構の解明は大いに攻め倦んでいた。
マウス生殖細胞における染色体構成因子のスクリーニングにより、減数第一分裂に特異的な複数の新規染色体結合因子が同定された。奇しくもこれらはすべてデータベースに眠る未解析の因子であったが、欠損マウスの解析から減数分裂における染色体動態の制御に極めて重要な役割を果たしていることが明らかとなった。本セミナーでは、長年の懸案とされていた減数分裂における染色体動態の諸問題および体細胞分裂との決定的な違いを生み出す染色体の制御機構について紹介する。

Abstractの詳細はこちら

 

 

【Speaker 2】多能性幹細胞分野  丹羽仁史 教授
【Title】「多能性とは?」という問いにどう答えられるのか?

 

科学とは現象を発見し、記述し、その背景にある法則性を見出し、これらを体系化する営みだと考えている。私は、かれこれ25年以上、マウス胚性幹細胞の多能性を維持する分子機構の研究を行ってきた。LIFシグナルがどのように入力し、Oct3/4などの転写因子をどのように制御し、さらにこれら転写因子が自己複製と無限増殖能をどのように維持するのかについて、現象を記述し、それらの体系化を試みてきた。しかし、ここに至っても、「多能性」という細胞の分化能を、端的に分子レベルで説明することは出来ていないと自覚している。このまま今のような研究を、あと15年足らず続けたとして、私は果たしてその答えにたどり着けるのだろうか?そもそも、この問いに対して、どのような答えが存在しうるのだろうか?研究環境を変えたこの機会に、改めてこのことを真剣に考えてみたい。

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【Contact】 発生医学研究所 所長 西中村 隆一  (Ext. 6615)

リーディングプログラム推進チーム(6832)、センター事務チーム(6577)高村 美貴子